山陽新聞デジタル|さんデジ

国内最古の矢入れの「靫」 卑弥呼時代の水辺の祭祀、滋賀

 稲部遺跡から出土した靫の一部(彦根市文化財課提供)
 稲部遺跡から出土した靫の一部(彦根市文化財課提供)
 滋賀県彦根市の稲部遺跡で出土した繊維片が、箱形の矢入れ「靫」の一部で、靫としては国内最古の古墳時代初頭(3世紀中ごろ)のものだったことが分かり、市が28日発表した。靫は首長が執り行った水辺の祭祀跡とみられる溝跡から出土。年代は靫などの放射性炭素分析や土器から240年ごろとみられ、卑弥呼(248年ごろ没)時代の祭祀の実態を知る手掛かりとなる。

 繊維片は、2019年9月に出土。絹糸と植物繊維の織物で、表面には黒漆が塗られていた。木の板、ガラス玉、モモの種などの祭祀具とともに出土。靫の出土地点では、溝をまたぐような建物跡も見つかっており、覆い屋の下で祭りが行われていたとみられる。

(2023年06月28日 18時26分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ