山陽新聞デジタル|さんデジ

太陽光パネルを吹きガラスに再生 西粟倉の財団法人、販売乗り出す

太陽光パネルから再生した吹きガラス作品を手にする水口さん
太陽光パネルから再生した吹きガラス作品を手にする水口さん
 太陽光パネルのリサイクルを目指す一般財団法人・PVリボーン協会(岡山県西粟倉村坂根)は、使用済みパネルから抽出したカレット(ガラスくず)を材料にした吹きガラスの食器や花器の販売に乗り出した。一般的なガラス製品と変わらない品質をアピールする。

 太陽光発電システム開発・販売の新見ソーラーカンパニー(新見市下熊谷)がパネルを高温の水蒸気で熱分解して取り出したカレットを使用。倉敷市を拠点に活動する吹きガラス作家水口智貴さん(42)に依頼し、工芸品に仕立ててもらった。

 グラス(4400円)、一輪挿し(同)、キャンドルスタンド(9350円)の3種類で「強度、透明度、手触りともに市場に流通しているガラス工芸品と比べて遜色なく、満足できる仕上がりになった」と水口さん。倉敷市美観地区近くの観光複合施設「LOGIN(ログイン) Kurashiki」(同市阿知)内の物販店「つなぐ倉敷」で販売している。

 協会によると、使用済みパネル1枚から得られるガラスは15キロ程度。ただパネル表面を覆うカバーガラスは技術革新で年々、薄くなっている。水平リサイクルが進めば半分近くが余剰カレットになる見込みで、工芸品への用途を開拓した。

 藤井尊久代表理事は「工業製品の材料としてガラスメーカーへの販売も検討している。さまざまな用途で有効活用してもらいたい」と話している。

(2024年05月14日 16時12分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ