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パーキングエリアに捨て猫、外に放たれた子猫の運命は? 悲劇から幸せつかんだビフォーアフターに涙

パーキングエリアで捨てられた子猫5匹、2匹が生きていたが…(写真:ねこけんブログより)
パーキングエリアで捨てられた子猫5匹、2匹が生きていたが…(写真:ねこけんブログより)
 ゴールデンウイーク真っ最中。車のお出かけでは、高速道路のパーキングエリアを利用することも多いだろう。たくさんの人々でにぎわう場所だが、よく「猫が捨てられる」場所でもあるという。こうして人間に捨てられた子猫たちは、一体どうなってしまうのか? NPO法人『ねこけん』代表理事・溝上奈緒子氏のコメントとともに、二つの事例を紹介する。

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■パーキングエリアのゴミ箱に捨てられた5匹の子猫の運命、生き残ったのは…

 高速道路のパーキングエリアのゴミ箱に捨てられていた子猫「のばら」。見つけた人がツテをたどってあるボランティアに連絡をくれ、運よく「のばら」は助かったのだという。

 捨てられていたのは、全部で5匹。3匹はすでに亡くなり、野生動物かなにかに食べられていたそうだ。生き残ったのは、茶トラの子猫とサビの「のばら」。保護された2匹はノミだらけで、体力も落ちて貧血状態。すでに歯が生えているにもかかわらず体重は100グラムしかなく、捨てられる前から放置されていたとも考えられる。そんな、弱々しい2匹は必死に処置されたものの、茶トラの子猫を救うことはできなかった。5匹のうち、たった1匹生き残ったのが「のばら」だった。

 「実は、高速道路のパーキングエリアやサービスエリアに猫が捨てられることはよくあるんです。のばらはゴミ箱の近くでしたが、トイレの中に遺棄されていることもあります。場所がら、捨てた人の“足がつかない”ということと、一方で“人目にはつく”ので、捨て猫が多いのだと思います」

 その背景には、捨てる人の“ずるい考え”が見え隠れする。

 「捨てる人も、ある程度は『死んでほしくない』と思うのでしょう。私たちからするとたしかに、山の中に人知れず捨てられてしまうよりは…とは思いますが、それにしたって捨てることにかわりはありません。動物の遺棄は犯罪だと知ってほしいですね」

 パーキングエリアに捨てられた「のばら」は、巡り巡ってミルクボランティアの手にゆだねられ、その家のデカワンコたちと仲良く暮らせることになったとか。「のばら」は幸運だったが、そのきょうだい猫たちは助からなかった。それを思うと、このGWで同じようなことが起こらないことを願うばかりだ。

 もう1匹、「茶ボボ」は捨てられたかは定かではないが、愛媛で見つかった子猫。愛媛は譲渡会不毛の地と言われ、犬猫の殺処分も多い場所。だからこそ外で生き、ケガや病気で不幸になる猫を減らそうと、地元の保護団体と『ねこけん』がTNR(捕獲・不妊去勢・戻す)活動を行っている。その中に「茶ボボ」はいた。

 「すごく人馴れしていて、ごろごろすりすりするような甘えん坊な子猫でした。可愛らしい猫なのですが、片目がなぜかしょぼついていて。どうやら風邪の影響が少しあるほか、先天的に目に異常があるようです。見えてはいるのですが、瞳孔がかなり奥にあるようでした」

 ちょっとばかりしょぼくれて見えるものの、実は笑顔も可愛らしい茶ボボ。生活に支障はなく、元気に猫じゃらしで遊ぶかと思えば、それより人間の手のほうが好きなよう。いつも人の後をついて回り、人間にべったりという愛らしい子猫だ。にこっと笑った顔がキュートな子猫は、隔離期間と風邪の治療を終えて譲渡会にチャレンジし、あっという間に家族ができた。同じ愛媛からやってきた猫・ポチと一緒に、愛情満載の愛され生活を満喫しているという。

 「茶ボボ」が幸せになれたのも、保護されたからこそ。厳しい外の世界で暮らせば、目に障害がある子猫が無事に成長できたとは思えない。猫を捨てる、外に放つことは、命そのものを危険にさらすこと。改めて、それを実感できる事例だった。

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(2024年04月29日 08時30分 更新)

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