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虹に出合うと

 「世界なぞなぞ大事典」(大修館書店)で見つけた問題だ。ラトビアでは「弓のように曲がっているが弓ではなく、花のように咲くが花ではない」、ロシアの少数民族では「ちょっと見には近くにあるが、狩ろうとすると追い付けない」▼お分かりだろうか。答えは「虹」である。アイスランドでは「黄色、赤、緑、青と気高いしま模様をつけられた」と形容される。国や地域に違いはあれど、いずれの表現も確かにそうだなと興味深い▼さて、春たけなわとなり、虹に出合う機会は増えるだろうか。1年を約5日ごとに区切り、気象の動きや動植物の変化を知らせる暦・七十二候によると、あす14日からは「虹始見(にじはじめてあらわる)」である。日の光が強まり、雨の上がった後に虹が現れやすい頃とされる▼虹はたまたま見かけることが多いが、見つけるには、こつがあるそうだ。雨がやんで急に晴れてきた時などが狙い目。太陽に背を向けて空を見回すと、見つかりやすいという▼ふと見上げた空に、鮮やかなアーチが架かっていると、ちょっと得した気分になる。1度だけ出合ったことのある二重の虹の美しさも忘れ難い▼ハワイのことわざに「ノーレイン、ノーレインボー」がある。嫌なことの後には、きっといいことがあるとの意味だ。虹には見る人を勇気づけてくれる力もある。

(2024年04月13日 08時00分 更新)

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