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南海トラフの防災知識

 「ついに来たか」。先週水曜日の深夜、スマートフォンのけたたましい警報音に身構えた。南海トラフ巨大地震が頭をよぎったからだ。とはいえ、いざとなると何もできなかった▼寝入っていた家人には後で怒られた。「起こしてくれたらよかったのに」。すぐ行動できるように声を掛けるべきだった▼発生から1週間余り。震度6弱だった愛媛、高知県では土砂崩れや断水も起きたが、インフラはほぼ復旧した。ほっとするだけでなく、この機会に防災の知識や意識を高めたい▼地震の規模を示すマグニチュード(M)で、先週の地震は6・6だった。Mの値が1・0上がるとエネルギーは約30倍になり、2・0上がると「30×30」で約千倍になる。南海トラフ巨大地震は最大でM9が想定されている▼「臨時情報」についても知っておきたい。南海トラフの想定震源域で、先週の地震より大きいM6・8以上の地震や異常な地殻変動が観測されると国が発表する。専門家が巨大地震が迫っていると判断すると、津波からの避難が間に合わない沿岸の住民は浸水エリア外へ1週間ほどの避難を求められる▼岡山、広島県内に事前避難の対象地域はないが、自宅にいて危険なら、個人の判断で親戚宅などに一時避難することも選択肢の一つだ。想定しておかなければ動けない。平時に考えておきたい。

(2024年04月26日 08時00分 更新)

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