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日本古来の一木造りにファン注目 井原・田中美術館 「棚田展」中盤

空間を大胆に使った作品が並ぶ会場
空間を大胆に使った作品が並ぶ会場
 第30回平櫛田中賞を受賞した彫刻家棚田康司氏(54)=神奈川県茅ケ崎市=の受賞記念展(山陽新聞社共催)は会期中盤。会場の平櫛田中美術館(井原市井原町)には1日も美術ファンらが訪れ、伝統的な木彫の技術で人間の在り方や多様性を表現した作品に見入っていた。

 「線上に幅を 空間に愛を」をテーマに24点を展示。棚田氏の代名詞とも呼べる日本古来の「一木造り」の手法で制作された「マントの少年―日本の場合」は、神秘的な表情をたたえて背中に天井まで届く巨大なマントを身に着け、見る人を魅了。両手を真上に伸ばした高さ約3メートルの女性「宙(そら)の像」も、その迫力で注目を集めていた。

 伝統と現代性を高いレベルで融合させる棚田氏。展示室ごとにコンセプトが異なり、高松市から訪れた観光客(63)は「作品一つ一つが繊細で美しく、ストーリー性もあって見応えがあった」と話していた。

 26日まで。月曜休館。

(2023年11月01日 20時38分 更新)

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