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一握りのお金持ちが政治家を選び…

 一握りのお金持ちが政治家を選び、国を動かす―。小説にでも出てくるかのような設定は作り話ではない。かつて日本に実在した制度である▼1890(明治23)年のきょう、第1回衆院選が行われた。投票できるのは「国税15円以上を納める25歳以上の男子」のみ。選挙権を得たのは総人口の1%ほどに過ぎなかったものの、国民が初めて国政参加を果たすという歴史を刻んだ▼130年以上前に議会政治が始まりを告げたのと同じ日に、目下の参院選は舌戦を折り返した。物価高やロシアのウクライナ侵攻といったリアルな課題に直面しているからだろう。関心を寄せる国民は少なくない▼総務省が先日発表した期日前投票の利用者は、選挙期間が同じで比較が可能な前々回より2割ほど増えている。制度が定着してきたことに加え、関心の高さも感じる▼目を引くのは岡山県の状況だ。有権者に占める利用者の割合が都道府県別で4位の好位置にある。国政選挙で投票率の低迷が続き、昨秋の衆院選は全国ワースト2位だった。“汚名”を返上できるのかも気になる▼第1回衆院選の当時には「特権」だった選挙権が、いまや18歳以上に与えられる当たり前の「権利」へと変わっている。使わない手はあるまい。総人口の80%を上回るまでに膨らんだ有権者の声を少しでも多く政治に届けたい。

(2022年07月01日 08時00分 更新)

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