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食品ロス削減 賢い消費の方策学ぶ 岡山でSDGsシンポ

食品ロス削減の取り組みを話し合ったシンポジウム
食品ロス削減の取り組みを話し合ったシンポジウム
 SDGs×吉備の環(わ)プロジェクト「地域課題に挑む」の第2回シンポジウム(山陽新聞社主催)が13日、岡山市北区柳町の山陽新聞社さん太ホールで開かれた。「食品ロス削減~もったいないをおいしいへ」をテーマに岡山県内の事業者らがまだ食べられる食品を有効活用する取り組みを発表し、参加した約130人が無駄を減らして賢く消費する方策を学んだ。

 パネリスト3人が登壇した。賞味期限などが理由で販売しない食品を必要な人に無償提供する食品スーパー・ハローズ(本部・岡山県早島町)の商品管理室長・太田光一さんは、こうした食品を届けるコミュニティパントリーの普及について、先進地・英国の視察を交えて説明。有力小売業者の大半が関わる英国は約260カ所あり、受け取る人の責任で消費する仕組みがある一方、日本は30カ所に満たないといい「同様の仕組みが確立すれば普及が拡大するだろう」と述べた。

 出荷に適さない野菜をカットして販売する事業を手がける「真庭あぐりガーデン」(真庭市)のコンシェルジュ・木島京子さんは、カットを担う高齢者の雇用や生きがいの創出、農家の所得向上といった効果を踏まえ「喜びや幸せの連鎖を生んでいる」とした。野菜ソムリエプロの三宅八重子さん(岡山市)は家庭でできるロス削減の工夫を解説。野菜は廃棄しがちな皮や節に栄養が多く「有効に使いたい」と強調し、調理や買い物のポイントとして「作りすぎず、必要な分だけ購入しよう」と訴えた。

 実践発表もあり、岡山龍谷高(笠岡市)の2年生4人は規格外野菜を使うスープの商品化を説明。なないろ学習塾(岡山市)の副代表・右田貴子さんは備蓄用アルファ米をおにぎりにする活用法を紹介した。ecoeat(エコイート)岡山北店(同市)の店長・川崎翼さんは賞味期限間近の食品販売、金光学園高(浅口市)の3年山本伊織さんは桃のジェラート作り、山陽学園大(岡山市)の4年金塚優輝さんは若い世代が食材活用に関わる事業プランを報告した。

 SDGsネットワークおかやまの石原達也会長、山陽新聞社の岡山一郎論説主幹、操山高2年藤原有望さんが司会を務めた。シンポの模様は特設サイトで1カ月程度視聴できる。

(2024年04月13日 20時09分 更新)

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