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「オーメン:ザ・ファースト」(2024年、米国) ダミアン誕生前史を描く

 黒じい さて、今回取り上げる作品は何でしょうか?

 シネじい 「オーメン:ザ・ファースト」だよ。

 黒じい 「オーメン」といえば、悪魔の子ダミアンを主人公にした1976年公開のホラー映画だね。その後、シリーズ化された。

 シネじい そうだ。「エクソシスト」(1973年)、「オーメン」、「サスペリア」(1977年)というのが70年代を代表する「ホラー御三家」だよ。ただし、私は「オーメン」を映画館ではなくテレビでしか見ていない。

 黒じい 「サスペリア」も映画館で見ていないだろ?

 シネじい 「エクソシスト」でホラーはこりごりだったから(笑)。それに「オーメン」に関しては、漫才の西川のりお師匠が「オーメン! オーメン!」と、憑(つ)かれたように連呼するギャグが微妙だったし(笑)。

 黒じい ではなぜ、「オーメン:ザ・ファースト」を取り上げようと?

 シネじい 舞台が、1971年だったからだよ。ああ、私が映画と共に育った黄金の70年代!

 黒じい やっぱりそこか!

 シネじい 実は、テレビで見た「オーメン」も、映画館で見た続編の「オーメン2/ダミアン」(1978年)と「オーメン/最後の闘争」(1981年)もほとんど内容を覚えていなかった。映画音楽の巨匠ジェリー・ゴールドスミスが手掛けたテーマ曲は記憶に残ったけど。

 黒じい あの男女コーラスの呪文のような曲ね。

 シネじい そうそう、タイトルは確か「アベさんは谷?」。

 黒じい 「アベ・サンターニ」! 悪魔をたたえる歌だろ。一体アベさんって誰なんだよ?!

 シネじい ローマ赴任の米国外交官ロバート・ソーン(グレゴリー・ペック)とキャサリン(リー・レミック)夫妻に男児が生まれるが死産。代わりに同じ時刻の6月6日午前6時に生まれた男児を養子にする。それがダミアン。成長するにしたがって周囲で不審死が相次ぐ。

 黒じい 666は悪魔の印。生まれた時から体のどこかに666という連字のあざがあるという。これは「オーメン」でぐっと有名になったね。

 シネじい そんなアホな、と思っていたが、私は考えを改めたよ。

 黒じい はて。

 シネじい 実は私にも同じあざが。帯状疱疹(ほうしん)に苦しんだことは一度ここで紹介しているよね。帯状疱疹は治ったのだが、そのあとを上からのぞきこんで見ると数字の「666」に…。

 黒じい はて、正面からは「999」のように見えるが…。

 シネじい そうか、999は「苦しい苦しい苦しい」という心と体のサインだったか。「エクソシスト」で、悪魔に憑(つ)かれた少女リーガン(リンダ・ブレア)のおなかに「HELP」の文字が浮き出たのと同じだな。

 黒じい そんなええもんかい! 

 シネじい 私はなぜこんなキワモノとしか思えない作品にグレゴリー・ペックのような大物俳優が出たのか疑問に思っていた。というわけで、レンタル店から借りて第1作を見直して衝撃の事実を発見したよ。

 黒じい またおおげさな(笑)。何です?...
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(2024年04月09日 11時30分 更新)

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