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「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」(2024年、日本) こんなアニメを見たかった

 黒じい 1970年代の終わりころに公開された「未知との遭遇」と「スター・ウォーズ」のエピソードⅣという素晴らしいSF映画が公開されたね。あれは事件だった。

 シネじい 「未知との遭遇」は、スティーブン・スピルバーグ監督作。宇宙人と人類のファーストコンタクトを描いている。この監督お得意の出るぞ、出るぞとじらしにじらして最後に……。特撮にも度肝を抜かれて「こんな映画を見たかったんだ!」とSFファンの私は大興奮だったよ。

 黒じい フランソワ・トリュフォー監督も俳優として出ていたね。

 シネじい 「スター・ウォーズ」の最初の公開はエピソードⅣ。ジョージ・ルーカス監督作だ。宇宙人がうじゃうじゃいる広大な宇宙を舞台に若者たちが大暴れする軽快痛快スペース・オペラ(宇宙活劇)だ。これもまた「こんな映画が見たかったんだ!」と大興奮だったよ。

 黒じい お前はどっち派?

 シネじい それは難問だ(笑)。どっちかといえば、「未知との遭遇」だな。ラストでついに巨大なマザーシップが姿を現し、ゆっくりと降下してくる場面では、言いようのない感動にうち震えていたぞ。

 黒じい どうせ口をぽかんと開けて、よだれでも垂らしながら見ていたんだろ?(笑)。当時、誰だったかは思い出せないが、「『未知との遭遇』はじじくさい。若者がはつらつと活躍する『スター・ウォーズ』の方が断然いい」と言っていたぞ。

 シネじい どうせ私は若いころからじいさんですわ(笑)。

 黒じい ご来光を拝むようにマザーシップを見ていただろ?(笑)。

 シネじい 今回、取り上げるアニメ映画は、ある日巨大な宇宙船が現れ、東京上空にとどまり続ける。そんな状況下で繰り広げられる少女たちの青春物語だ。

 黒じい お前がアニメ映画とは珍しい。なんて作品だ?

 シネじい 覚えにくいんだよね。確か、デ、デ、デ…デ~オ、デエエオ♪

 黒じい 「バナナ・ボート」かい! 昨年亡くなった歌手ハリー・べラフォンテのヒット曲。ちょっと古かったかな。

 シネじい デ、デ、デ…デンデケデケデケ。

 黒じい 大林宣彦監督「青春デンデケデケデケ」(1992年)かい! 原作は芦原すなおで、ロックに青春を燃やす高校生たちの姿を描いて直木賞を受賞した同名小説だ。これもちょっと古かったかな(笑)。

 シネじい いい作品なんだけど、忘れられているのは残念。

 黒じい 早く本論へ入ってくださいな。デンは急げ(笑)。

 シネじい 正しくは「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」。なんじゃこのタイトルは。ラップか?(笑)。

 黒じい 文句言うなら取り上げるなよ(笑)。

 シネじい ある人から「『デッドデッド…』は絶対お薦めです。あれは予言の漫画です!」と謎めいた言葉をもらってね。

 黒じい 誰だい、その人?...
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(2024年04月02日 11時42分 更新)

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