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「ネクスト・ゴール・ウィンズ」(2023年、英国/米国) “負け”を知る人に贈る応援歌

 よしジン サッカーJ2が開幕した。わが郷土の期待、ファジアーノ岡山の初戦は見ただろうな。

 黒じい もちのろん、3-0の快勝に興奮した。

 よしジン 鼻水を垂らしてのスタンド観戦は私の美学にはなく、この漫談原稿の締め切りも迫っている。家でテレビとラジオの実況中継に見入り、聞き入っていたよ。

 黒じい 単に横着を決め込んでいただけだろう。6年間にわたりファジアーノを担当した山陽新聞運動部・K記者が地元ラジオの番組で、「1位は無理かもしれないが、J1への無条件昇格となる2位の可能性がある」と話すのを聞いた。「今年はひょっとして」とJ1昇格を期待している。

 よしジン FWを中心に補強が成功し、選手層が厚くなった感じがする。元サンフレッチェ広島の佐藤寿人氏もファジアーノの順位予想を4位に挙げている。昨年よりパワーアップしているのは間違いない。

 黒じい 昨年は決定力不足のためか、引き分けが19試合とリーグ最多。勝ち切れず、シーズン後半になるにつれ、徐々に順位が下がっていった。一昨年の3位が何だったのかと、信じられないような光景で、それ以前に味わってきた失望感に包まれ、またまたガックリさせられた。

 よしジン 初戦は新戦力と既存戦力がうまくかみ合い、相乗効果を生んでの完勝と言って良い。シティライトスタジアムに駆け付けた1万1000人を超えるファンも、今シーズンの展開に夢を膨らませたに違いない。わくわくさせてくれる1年にしてほしい。

 黒じい それにしても結果を求められる監督の立場はつらい。ジャパンの森保監督は2018年、日本代表監督に就任してから期待されていたような成績が収められず、中傷を受けていた。ところが、22年のW杯カタール大会でドイツやスペインの強豪にジャパン代表として初めて勝利。2大会連続の決勝トーナメントに進出すると、手のひらを返したような称賛の嵐。しかしながら、アジアカップ2023でイランに負け、A代表の連勝記録が10勝で止まる。同カップの優勝を逃したため、また批判めいた発言に遭っている。

 よしジン 勝てば天国、負ければ地獄。まさに監督はつらいよ、と言ったところ。今回取り上げる作品は、監督として結果を残せず、米国サッカー協会に米国領サモアへ“飛ばされた”男が、01年W杯オセアニア予選の対オーストラリア戦で0―31の記録的大敗を記録した当地の代表チームの監督に就任し、立て直しを図るという粗筋。...
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(2024年02月27日 11時30分 更新)

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