山陽新聞デジタル|さんデジ

ファジアーノ 「J2の頂」へ駆け上がれ

 いよいよ勝負のシーズンが幕を開ける。攻めの姿勢を貫き、「J2の頂」に駆け上がってもらいたい。

 サッカーJ2ファジアーノ岡山は、25日に岡山市のシティライトスタジアムで栃木との今季開幕戦に臨む。昨季は引き分けの山を築き、過去最高だった2022年の3位から10位に後退。J1昇格プレーオフ(3~6位)にも届かなかった。木山隆之監督が率いて3年目となるファジが、悔しさを糧にどんな進化を遂げるのかが試される。

 今季に懸ける意気込みは13人が新加入した大型補強からも伝わってくる。J1時代を含め清水に14年間在籍し、今季の主将を務める竹内涼選手、Jリーグ通算306試合出場のキャリアを持ち、山形から移籍した藤田息吹選手、前所属の新潟など3チームでJ1昇格を経験した田上大地選手らの経験値は高い。

 外国人選手も実力者がそろう。J1名古屋で主力を担ったガブリエルシャビエル、韓国2部で昨季13得点を挙げたグレイソンの両選手はブラジル出身で攻撃センスに優れる。ゴールキーパーのブローダーセン選手は東京五輪ドイツ代表で、22年には横浜FCの守護神としてJ1復帰に貢献している。

 20代前半を中心に9人を補強した昨季は、若手が思うような結果を出せなかったことが勝ちきれない一因にもなった。場数を踏んだ選手の加入で、攻守の厚みと勝負強さは増しているはずだ。

 新旧戦力の融合は順調のようだ。先の宮崎キャンプで初めてメンバーを組み合わせた対外試合はJ2徳島を圧倒した。木山監督が「既存の選手は戦術理解度が高く、新加入選手はパワーやスピード、経験値で今まで足りなかった部分を埋めてくれている」とキャンプを総括した言葉からは手応えがうかがえる。

 J2は昨季より2チーム少ない20チームが11月までの長丁場を戦う。ファジは開幕戦から6試合続けて昨季の順位で下位のチームと当たる。今季は前線に人数をかけて相手ゴールに迫る攻撃的なスタイルを追求している。序盤から得点と白星を積み上げ、勢いに乗ってほしい。

 チームの躍進にはファンの力が欠かせない。昨季はホーム1試合平均の入場者数が約8500人と新型コロナウイルス禍前の水準にほぼ戻った。今季は1万人達成が目標だ。スタンドをファジレッドに染め続け、選手たちを力強い応援で後押ししたい。

 年明けからプロボクシングや女子マラソンといった競技で岡山勢の快挙が相次いでいる。スポーツには地域を元気にしてくれる力がある。シーズンを通してファジの快進撃に岡山が盛り上がる―。その先にJ1昇格が待っているに違いない。

(2024年02月23日 08時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ