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2023年 記憶に残った映画

 黒じい 年も暮れてくるとやっぱりアレですか?

 シネじい アレといえば、流行語大賞?

 黒じい 映画の年末回顧だよ! 

 シネじい そうなると私は、「ブギウギ」だね。

 黒じい そりゃ、NHKの朝ドラだろ! 映画じゃないぞ!

 シネじい いや、そうとばかりはいえないぞ。ブギの女王笠置シヅ子をモデルにしたヒロイン福来スズ子(趣里)の活躍を「二葉百三郎」という評論家が絶賛する。

 黒じい 二葉百三郎本人は出てこないが、言葉が紹介されていたね。

 シネじい あれは誰あろう、映画評論家として名高い双葉十三郎先生だよ。私が中学時代に読んでいた映画月刊誌「スクリーン」で「ぼくの採点表」という連載をしていて☆の数で公開作品を採点していた。

 黒じい 「ぼくの採点表」には、簡単なコメントもついていたね。

 シネじい 私にとっての「ブギウギ」の神回がある。大阪から東京に進出したスズ子と、スズ子の後輩、秋山美月(伊原六花)のコイバナが見どころの回だった。「キッスはチョコの味だそうですよ」という秋山に、落ち着きを失ったスズ子は、「あ、秋山は、し、したことあんのか?」。ごくりと唾をのみこんで「キ、キッスは?」。しばらく黙って互いの顔を探るように見つめる二人。流れていた不穏な音楽が途切れて「ないです」。このシーンの二人の表情と間がおかしいのなんの。

 黒じい 確かに(笑)。

 シネじい 録画したこの場面を毎日見返してクスクス笑って、つらいことを忘れるようにしている。というわけで、私が今年見た日本映画のベストは伊原六花が映画初出演を果たした「リゾートバイト」だよ。...
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(2023年12月19日 11時39分 更新)

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