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月探査「中国の一番乗り望まぬ」 NASA局長が会見

 4月、宇宙関連のイベント会場に設けられた月面探査に関連する展示=中国安徽省合肥市(共同)
 4月、宇宙関連のイベント会場に設けられた月面探査に関連する展示=中国安徽省合肥市(共同)
 8日、米フロリダ州で月探査計画について記者会見するNASAのネルソン局長(ロイター=共同)
 8日、米フロリダ州で月探査計画について記者会見するNASAのネルソン局長(ロイター=共同)
 【ワシントン共同】米航空宇宙局(NASA)のネルソン局長は8日、南部フロリダ州のケネディ宇宙センターで月探査計画について記者会見した。「宇宙開発競争の相手は中国だ」と明言し、中国による南沙(英語名スプラトリー)諸島での軍用滑走路建設を引き合いに「月の南極の有人探査で中国が一番乗りし『われわれのものだ、出て行け』と言うようなことは望まない」と話した。

 米国主導で日本も参加する国際月探査「アルテミス計画」では、水資源が存在するとみられる南極付近に2025年12月ごろ飛行士を着陸させる目標を掲げる。だが着陸機は完成のめどが立たず、記者会見に同席した幹部は「あまり遅れるようなら別のやり方も考えることになる」とした。

 一方、中国には月面基地の建設構想がある。中国も加わる宇宙条約では天体の領有が禁止されており、ネルソン氏は「地上での中国政府のやり方を見ただろう。(領有権争いを抱える)南シナ海の島々を自分のものと言い張っている」と不信感をあらわにした。

(2023年08月09日 08時37分 更新)

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