統一地方選 コロナ後の将来像を競え
統一地方選前半戦の岡山、広島県議選と岡山市議選がきょう告示される。既に始まった9道府県知事選などと同じ4月9日に投開票される。後半戦は津山、玉野、里庄、新庄、西粟倉などの市町村議選(23日投開票)がある。
今回の統一選は、3年余りに及ぶ新型コロナウイルス禍の出口が見えつつあり、疲弊した暮らしや経済の立て直しに乗り出すタイミングで行われる。コロナ禍では観光誘客といった自治体の振興策が大幅な制約を受けてきた。改選後の任期では、地域に活力を取り戻し、にぎわい創出の流れを軌道に乗せる役目を担うことになろう。
その意味でも「選択」の意義は重い。候補者には地域の実情に沿った政策を訴えるとともに、コロナ後を見据えた地域の将来像も明確に掲げ、実現に向けた具体策を競い合ってもらいたい。
地域の活性化と同時に、地方の最重要課題は人口減少対策である。東京一極集中の是正を目指して国と地方は10年近く「地方創生」に取り組みながら、都道府県レベルで人口が増えているのは大都市圏に偏っている。コロナ禍で一時的に芽生えた地方分散の動きも弱く、再び「東京回帰」の傾向が鮮明になっている。
とりわけ岡山、広島県の実情は深刻だ。2022年の人口移動報告で、日本人の転出が転入を上回る「転出超過数」がコロナ禍前より悪化したのは香川を含め全国で3県だけだ。JRローカル線の存廃など、住民生活を脅かす問題に直面している。
危機的な状況にありながら首長と「車の両輪」に例えられる議会の影は薄いようだ。山陽新聞社加盟の日本世論調査会が先日まとめた調査結果によると、居住地にある議会の活動に「満足していない」は「どちらかといえば」を含め69%に上る。理由(複数回答)のトップは「活動が住民に伝わっていない」の59%で「優れた政策を打ち出していない」が47%で続いた。
地方議員の選挙では投票率の低迷が深刻だ。4年前の前回統一選で岡山、広島県議選と岡山市議選は過去最低だった。岡山県内では後半戦の5市町村議選も過去最低で、統一選の全7選挙で最低を更新した。これでは「民主主義の学校」と呼ばれる地方自治の土台が揺らぐ。議会の存在感を高める方策も聞きたい。
有権者はコロナ禍を経験して、政治が暮らしや命に直結すると実感したはずだ。この4年間で地方議員選では選挙運動用ビラの配布が解禁され、岡山、広島県議選で政見を載せた選挙公報が発行されるようになっている。統一選では政策を吟味するとともに、候補者が地域の声を丹念にくみ取り、政策に反映する力を備えているかを見極める機会としたい。
今回の統一選は、3年余りに及ぶ新型コロナウイルス禍の出口が見えつつあり、疲弊した暮らしや経済の立て直しに乗り出すタイミングで行われる。コロナ禍では観光誘客といった自治体の振興策が大幅な制約を受けてきた。改選後の任期では、地域に活力を取り戻し、にぎわい創出の流れを軌道に乗せる役目を担うことになろう。
その意味でも「選択」の意義は重い。候補者には地域の実情に沿った政策を訴えるとともに、コロナ後を見据えた地域の将来像も明確に掲げ、実現に向けた具体策を競い合ってもらいたい。
地域の活性化と同時に、地方の最重要課題は人口減少対策である。東京一極集中の是正を目指して国と地方は10年近く「地方創生」に取り組みながら、都道府県レベルで人口が増えているのは大都市圏に偏っている。コロナ禍で一時的に芽生えた地方分散の動きも弱く、再び「東京回帰」の傾向が鮮明になっている。
とりわけ岡山、広島県の実情は深刻だ。2022年の人口移動報告で、日本人の転出が転入を上回る「転出超過数」がコロナ禍前より悪化したのは香川を含め全国で3県だけだ。JRローカル線の存廃など、住民生活を脅かす問題に直面している。
危機的な状況にありながら首長と「車の両輪」に例えられる議会の影は薄いようだ。山陽新聞社加盟の日本世論調査会が先日まとめた調査結果によると、居住地にある議会の活動に「満足していない」は「どちらかといえば」を含め69%に上る。理由(複数回答)のトップは「活動が住民に伝わっていない」の59%で「優れた政策を打ち出していない」が47%で続いた。
地方議員の選挙では投票率の低迷が深刻だ。4年前の前回統一選で岡山、広島県議選と岡山市議選は過去最低だった。岡山県内では後半戦の5市町村議選も過去最低で、統一選の全7選挙で最低を更新した。これでは「民主主義の学校」と呼ばれる地方自治の土台が揺らぐ。議会の存在感を高める方策も聞きたい。
有権者はコロナ禍を経験して、政治が暮らしや命に直結すると実感したはずだ。この4年間で地方議員選では選挙運動用ビラの配布が解禁され、岡山、広島県議選で政見を載せた選挙公報が発行されるようになっている。統一選では政策を吟味するとともに、候補者が地域の声を丹念にくみ取り、政策に反映する力を備えているかを見極める機会としたい。
(2023年03月31日 08時00分 更新)