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消防女子

 農業女子、理系女子、カメラ女子…。その仕事や趣味に取り組む女性を「◯◯女子」と呼ぶ言葉に出合うことがある。生き生きとした姿が思い浮かぶが、わざわざ女性だと強調するのは、その世界が男性中心という裏返しだろうか▼こちらはその一例だろう。女性消防士を指す「消防女子」。総務省消防庁は専用サイトを設け、活躍ぶりをアピールしている▼全国の消防職員に占める女性の比率を2026年度当初までに5%とする目標を掲げる。22年度当初は3・4%。数値目標を定めた15年度の2・4%から徐々に上昇しているが、まだ道半ばだ。警察官(10・9%)や自衛官(8・3%)より低い状況も変わらない▼岡山県内の消防職員による先日の意見発表大会では笠岡地区消防組合の石原舞子さん(22)が最優秀賞に輝いた。「女性が消防士であり続けるために」と題し、育児休業後の現場復帰に対する支援拡充を求めた▼自身は独身だが、出産・育児をきっかけに退職したり勤務時間を制限したりする先輩たちを見てきた。「長く現場で活躍したいと思って消防士になったのに、家庭との両立を考えると不安でならない」▼発表では、育休から現場復帰した全国各地の女性消防士とオンラインで意見交換し、不安を和らげることなどを提案した。できることから取り組みが広がってほしい。

(2024年04月18日 08時00分 更新)

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