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新聞をヨム日

 岡山市のJR岡山駅にほど近い奉還町商店街。3月下旬、地元関係者に案内されて探索する高校生たちの姿があった。岡山南高の新聞部のメンバーだ。何と、学校新聞の「奉還町支局」を近く立ち上げるという▼生徒らは、商店街の端から端まで丹念に見て回った。車社会の進展などでかつてのにぎわいが失われたが、近年は若者らが次々、空き店舗にカフェなどを出店している。アーケードに掲げられた古い店の看板と、現在の店名が違っていることなどを確認した▼支局は、中高生が集まる施設「ユースセンター」の中に設ける。取材拠点にして商店街の店や人々の動きを記事にし、魅力を校内や外部に発信する▼新聞部は、小中高生が対象の「おかやま新聞コンクール」新聞づくりの部で高校最優秀賞に2年連続で輝き、2月に表彰された。そのテーマが岡山市の街づくり。再開発や路面電車の岡山駅前広場乗り入れについて、市役所や現場を取材した記事が評価された▼もともと同高は新聞を授業に取り入れ、社会課題の探究が盛んだ。記事を読み意見を書くなどしてきた。新聞部は街の活性化を取材するうち、自らも役立とうと奉還町で実践に乗り出した▼きょう4月6日は「新聞をヨム日」だ。新聞の閲読を起点に街づくりを自分事にした生徒たち。地域の重要な担い手になりつつある。

(2024年04月06日 08時00分 更新)

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