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教員のなり手不足

 理想の教師が出てくるテレビドラマといえば昭和なら「3年B組金八先生」、平成なら「GTO」か。反町隆史さんが型破りな教師を演じ、1998年に放送された▼26年ぶりの続編が4月1日、放送されるそうだ。復活を前に、かつてのドラマが再放送されていた。問題を抱えた生徒に寄り添い、次第に信頼されていく熱血教師。その姿に刺激され、教員を目指した人もいたかもしれない▼あれから四半世紀。学校を取り巻く環境は変わった。深刻なのは教員のなり手不足だろう。長時間労働が敬遠され、志願者が減っている。学校現場の働き方改革はもちろんのこと、教員を志す若者を支援したい▼文部科学省は大学院を修了し、教員になった人の奨学金返還を免除する制度を設けた。岡山県教委は公立小(岡山市は除く)の教員になった人の返還額の一部補助を独自に始める。いずれも今夏の採用試験の合格者から適用する▼教員になった際の返還免除制度はかつて、学部生、大学院生ともにあったが、教員優遇と批判され、98年から段階的に廃止された。だが教育は国の礎であり、なり手不足対策の強化は重要だ▼人工知能(AI)が急速に進化し、偽情報が氾濫する時代である。複雑になる社会の読み解き方を伝える教員の役割は大きい。令和の時代は再び、教師を憧れの職業にしたい。

(2024年03月30日 08時00分 更新)

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