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地元鉱山の土で新備前焼シリーズ 山本兄弟 6月の商談会へ費用CF

「NEU」の皿を手に取る山本領作さん(右)と周作さん
「NEU」の皿を手に取る山本領作さん(右)と周作さん
 備前焼工房IZURU(備前市伊部)を運営する山本周作さん(49)、領作さん(46)兄弟が、備前焼の陶土に同市三石にある土橋鉱山の土を配合した備前焼シリーズ「NEU(ヌー)」を開発した。全国の作り手が東京に集う「ててて商談会」(6月)への出展と今後の生産体制確立に向けた費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 備前焼の重要無形文化財保持者(人間国宝)の故陶秀さんを祖父に、岡山県重要無形文化財保持者の出(いずる)さんを父に持つ二人。父を師に作陶を学んだ後、共同で工房を立ち上げ、2014年からは顔料を練り込んだ「色備前」を中心に海外にまで販路を広げている。

 事業を展開しながら10年ほど前から「現代の生活に合った備前焼を」とさらなる商品開発に着手。備前焼の陶土の枯渇も考慮し、近隣地域で活用できる土を調査し、国内外に陶磁器や耐火れんがの原料を供給している土橋鉱山の存在を知った。

 同鉱山から用土を入手して備前焼の原土とブレンドしたところ、磁器に近い柔らかな白色に焼き上がり、備前焼では乗りにくい釉薬(ゆうやく)も定着したという。試行錯誤を重ね、コップやプレート、プランターといった製品を開発。丈夫で手触りが良く、モダンなデザインへと仕上げた。

 ブランド名のNEUは、NEW(新しい)とNEUTRAL(普遍)にちなんだ。二人は「どんな環境でも愛され、時代を超えて使われる製品になるよう、今後も研究を重ねたい」と意気込む。

 CFは、山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」を活用。100万円を目標に29日まで募り、支援額に応じて「NEU」の器を贈る。詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/136620)。

(2024年03月25日 19時01分 更新)

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