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矢掛高生が防災テーマに映画製作 恋愛も交え 28日複数回上映

撮影の際、脚本を手に生徒会役員役の生徒(右の2人)に場面の説明をする太田さん(その隣)。左端はカメラと編集担当の野宮さん
撮影の際、脚本を手に生徒会役員役の生徒(右の2人)に場面の説明をする太田さん(その隣)。左端はカメラと編集担当の野宮さん
 矢掛高(岡山県矢掛町矢掛)3年生有志が、卒業を前に映画製作に取り組んでいる。防災をテーマに学校生活や生徒の恋愛も組み合わせた内容で、ドラマや脚本作りが好きな男子生徒が監督を務める。28日午後1時半から同校を開放して複数回上映する。

 「いつもいつでも」と題した物語は、主人公役の妹尾陽由さん(18)が生徒会に密着したドキュメンタリーの撮影を始め、役員が元日の能登半島地震を目の当たりにして防災活動に取り組んでいたところ、矢掛を大きな地震が襲う―といった内容。生徒会メンバーが抱える恋愛や悩み事なども交え、約20分にまとめる予定。

 脚本を書き、監督としてメガホンを取る太田優斗さん(18)は昨年、主将を務めた軟式野球部の部活を引退してから校内外の防災啓発活動に参加している。同年代に関心を持ってもらいたいと企画した。映画やドラマ好きで、高校生になってからは自宅でオリジナルの脚本を書くほど。2年時にはテレビ朝日主催のコンテストで2次審査に進んだ。脚本作りを友人に打ち明けたことはなく、驚かれたという。

 太田さんとタッグを組み、カメラと編集を担当するのは、春から県外の大学で映像制作を学ぶ予定の野宮康生さん(18)。1月下旬からロケを始め、校内の自動販売機の前で実際の生徒会役員2人が物語の冒頭部分を演じたり、町道などで地震発生後の緊迫した場面を撮影したりした。「難しいテーマだが、見る人を引きつけられるよう編集したい」と野宮さん。

 劇中の音楽やタイトルバック、イラストはそれぞれ得意な生徒が協力。太田さんは「高校の最後に映画製作ができるなんて貴重な経験。若者が表現する防災への訴えをぜひ見てほしい」と話す。

(2024年02月22日 18時00分 更新)

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