山陽新聞デジタル|さんデジ

修学旅行で海洋環境問題学んで 備前の一般社団法人、誘致に力

日生沖の船上で台湾の学校関係者に活動を説明する船橋代表理事(右)=1月31日
日生沖の船上で台湾の学校関係者に活動を説明する船橋代表理事(右)=1月31日
 瀬戸内海の環境保護に取り組む「一般社団法人みんなでびぜん」(備前市日生町日生)は、海ごみの回収や藻場再生の活動を若い世代に知ってもらおうと修学旅行の誘致に力を入れている。京都や長野の中・高校を招いてきたほか、海外からの受け入れも視野に入れ、船橋美可代表理事は「海洋環境の問題は国際的にも関心が高く、備前発の取り組みを発信したい」とする。

 同市では、漁業者を中心に約40年前から魚のすみかとなる海草・アマモの育成に力を入れており、2021年に市や漁協、観光協会などがみんなでびぜんを設立。日生諸島・頭島の学習施設「ひなせうみラボ」を拠点に、船でしか行けない湾に漂着したごみの回収、アマモの種まきといった活動を課外学習やツアーに取り入れる。

 豊かな海を守る活動がSDGs(持続可能な開発目標)の一つに掲げられたこともあり、同年から学習の場として修学旅行を誘致。子どもたちにはポイ捨てのほか、集積場所の袋が動物に荒らされたり、風に運ばれたりして陸のごみが用水路や川から海に流れ着く経緯を説明するという。

 京都府宇治市の中学校は昨年、生徒約70人が海岸を清掃し「身の回りからきれいにしたい」「リサイクルでごみを減らす」と感想を寄せた。今年1月は台湾の高校長ら6人が訪れ、船橋代表理事が船でアマモの再生場所を案内。ごみが廃棄された時期や場所を推定する活動も紹介した。台北市・南湖高級中学校の吉佛慈校長は「現場で活動を体験すれば刺激になる。生徒を連れてきたい」と話した。

 みんなでびぜんは、23日に岡山コンベンションセンター(岡山市北区駅元町)で開かれる「海ごみ・プラごみ削減フォーラム」(岡山県主催、山陽新聞社など共催)のシンポジウムで活動を発表する。

 ◇

 フォーラムは午後1時開会。海ごみの削減、回収に取り組む約30団体の展示や活動発表のほか、SDGs×吉備の環(わ)プロジェクト「地域課題に挑む」と銘打ったシンポジウム(同社主催)では有識者の基調講演やパネルディスカッションがある。20日まで参加者を募っており、応募専用フォームなどから申し込む。問い合わせは山陽新聞事業社(086―803―8237)。

(2024年02月08日 21時09分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ