山陽新聞デジタル|さんデジ

岡山県「吉備沃野」の再活用断念 岡山駅東口、乗り入れ事業で廃棄

岡山県が再活用を断念した大型円形モニュメント「吉備沃野」。作品の中央に桃太郎像、奥にはピーコック噴水がある=2日
岡山県が再活用を断念した大型円形モニュメント「吉備沃野」。作品の中央に桃太郎像、奥にはピーコック噴水がある=2日
 岡山県がJR岡山駅東口広場からの撤去を決めているモニュメント「吉備沃野(よくや)」の再活用を断念したことが2日、県への取材で分かった。岡山市が進める路面電車乗り入れ事業に伴う撤去対象となり、活用策を検討していたが、作者の意向も踏まえて廃棄を決めた。21世紀の岡山の飛躍を期して整備された平面作品はその役割を終える。

【関連記事】岡山駅前の噴水 いりませんか? 最低価格は8万2千円

 吉備沃野は2001年、新千年紀(ミレニアム)の記念事業として政財界関係者らでつくる実行委員会が企画し、県が設置した。床面にアカマツや万成石、備前焼といった県ゆかりの素材を敷き詰めた直径26メートルの大型円形作品で、外周に当時の全78市町村の名を刻んだ青銅を配している。

 県は乗り入れ事業を見据えて作品の部分移設といった活用策を検討。作者の彫刻家・西雅秋さん=埼玉県=に意向を尋ねたところ、現在地以外への設置は作品の趣旨が損なわれかねないとの指摘があり、廃棄を決めた。24年度の早い段階で撤去に着手する方針。県は「吉備沃野は岡山駅前のシンボルの一つであり、廃棄は苦渋の選択だが、理解してほしい」としている。

 東口広場には他に、岡山市が管理するモニュメント「桃太郎像」と「ピーコック噴水」、旧制第六高等学校生徒を表現した「青春感謝像」があり、いずれも乗り入れ事業に伴い広場内への移設や撤去が決まっている。

(2024年02月03日 05時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ