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リョービMHI 本社第3工場完成 業務用印刷機の生産機能を集約

稼働を始めた第3工場。本社に生産機能を集約し、作業効率を高めている。左奥は第2工場
稼働を始めた第3工場。本社に生産機能を集約し、作業効率を高めている。左奥は第2工場
 業務用印刷機製造のリョービMHIグラフィックテクノロジー(府中市鵜飼町)が本社敷地内に整備していた「第3工場」が完成し、稼働を始めた。分散していた業務用オフセット印刷機の組み立てや試運転作業を新工場に集約し、生産性を向上。新型コロナウイルス禍から回復しつつある印刷業者の設備投資需要を取り込む。

 第3工場は、鉄骨平屋約4400平方メートル。大型クレーン4基(つり下げ能力15トン)などを備え、ポスターや箱などの商業用印刷に対応する大型印刷機の組み立てと試運転、最終調整を担う。昨年1月に着工。11月に稼働を始めた。投資額は非公表。

 同社はダイカスト製品製造のリョービ(府中市目崎町)と三菱重工機械システム(神戸市)の合弁で2014年に設立。これまでは本社敷地内の第1、第2工場の他、三菱重工機械システム三原事業所(三原市糸崎南)内にも生産拠点があり、受注が増えて本社工場が手狭になれば、三原の拠点でも組み立てと試運転を行っていた。

 ただ、組み立て前のユニットを輸送するコストと手間、三原への人員配置の負担は大きく、作業効率を高めるため第3工場の稼働に伴い生産機能を本社に集約した。徐々に稼働率を上げており、2月ごろにフル稼働となる見通し。

 リョービMHIグラフィックテクノロジーによると、08年のリーマン・ショック以降、設備投資を控えていた印刷業者は多く、機器の更新時期を迎えている。慢性的に人手が不足している業者も少なくない。このため高性能で省人化にもつながる新型機器の需要は高く、受注増を目指し第3工場を整備した。広川勝士社長は「工場を近くに集約することで柔軟に人員を配置できる。生産性の向上につなげたい」と話している。

 同社は資本金1億円、売上高約233億円(23年12月期見込み)、従業員約470人。

(2024年01月15日 16時15分 更新)

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