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県境越えた被災地支援へ合同訓練 岡山県内で中四国の消防や警察

倒壊した建物から負傷者を搬送する訓練=鏡野町
倒壊した建物から負傷者を搬送する訓練=鏡野町
 大規模災害時に県境を越えて被災地を支援する「緊急消防援助隊」の中国・四国ブロック合同訓練(消防庁、岡山県など主催)が28日、同県鏡野町の苫田ダム周辺などで始まった。29日まで、県内10カ所で救助活動や災害情報の収集、火災対応を実践し、緊急時の連携を強化する。

 県北部を震源に最大震度6弱の地震が発生し、多数の死傷者が出たとの想定。中四国9県と隣接する兵庫県の消防機関、警察、自衛隊と地元消防団などから約千人が参加する。

 苫田ダム周辺では倒壊した施設からの負傷者救出訓練を実施。仮設した建物を使い、負傷者役の消防職員や人形に「大丈夫ですか」と声をかけながら慎重に搬送した。トンネルに見立てたテント内では、多重衝突事故の被災者を助ける訓練もあった。県庁や津山圏域消防組合(津山市林田)では災害対策本部の設営手順を確かめた。

 緊急消防援助隊は阪神大震災を機に1995年に発足。岡山からは東日本大震災などに計9回出動した。訓練は中四国各県で毎年開いており、岡山では9年ぶり。29日は、土砂崩れで孤立した被災者の救助や化学物質などによる「NBC災害」への対応方法を確認する。

(2023年10月28日 20時34分 更新)

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