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障害者の食材費を過大徴収 120施設運営、経済的虐待疑い

 障害者向けグループホームを運営する「恵」本社が入るビル=21日午前、東京都港区
 障害者向けグループホームを運営する「恵」本社が入るビル=21日午前、東京都港区
 厚生労働省
 厚生労働省
 全国で障害者向けグループホームを運営する会社「恵」(東京都港区)が、愛知県内の施設で利用者から食材費を過大に徴収していたことが21日、県などへの取材で分かった。県は立ち入り監査を実施した。厚生労働省は障害者虐待防止法が禁止する経済的虐待の疑いがあるとして、同社のグループホーム約120カ所がある自治体に事実関係の調査を要請した。

 関係者によると、愛知県による監査対象は西尾市にある「グループホームふわふわ西尾」など。昨年、県内のグループホーム1カ所で利用者から徴収した金額が、実際に使った材料の購入額よりも多いケースが発覚。他のグループホームでも同様の状況が判明した。

 厚労省令は、グループホームの運営事業者は利用者から食事の材料購入に必要な実費のみを徴収すると規定。愛知県からの情報を受けて調査した県内の自治体によると、実際の食材費は利用者1人当たり月約8千円なのに、約2万4千円を徴収していた施設があった。

 県は食材費の徴収方法を見直し、過大に徴収した分をさかのぼって返還するよう指導している。

(2023年09月21日 12時36分 更新)

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