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子孫繁栄や豊作願い「大宮踊」 真庭・蒜山の福田神社に音頭響く

大宮踊で優美な所作を繰り広げる住民ら
大宮踊で優美な所作を繰り広げる住民ら
大宮踊で優美な舞を繰り広げる住民ら
大宮踊で優美な舞を繰り広げる住民ら
 真庭市蒜山地域に伝わり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に昨年登録された「大宮踊」(国重要無形民俗文化財)が17日夜、「大宮様」とも呼ばれる福田神社(同市蒜山中福田)で行われた。晩夏の高原に子孫繁栄や豊作を願う音頭が響き、住民らが優雅な踊りに興じた。

 午後8時ごろ、拝殿に浴衣姿の人々が集まり、和紙で作る紙細工「シリゲ」をつるした灯籠の下で踊りの輪をつくった。踊り手は繁栄を願うとされる「ウワハンヨウ」など独特の言い回しが入る音頭と太鼓の音に合わせてゆっくりと動き出し、優美な「あおい」、歯切れの良さが増す「しっし」と曲線的な所作を繰り返して見物客を魅了した。

 終盤の「まねき」では、編みがさをかぶった6人組が登場。きねで天地を突くようなしぐさや、ドジョウすくいなどおどけた身ぶりで会場を盛り上げた。

 踊りを写真に収めていた鳥取県米子市の会社員(60)は「無形文化遺産に登録されたと聞いて初めて訪れた。優雅な動きに踊り継がれた歴史を感じ、感動した」と話していた。

 大宮踊は備中たかはし松山踊り(高梁市)、白石踊(笠岡市)と並ぶ岡山県三大踊りの一つ。室町時代後期には成立していた可能性があり、現在は真庭市蒜山地域の15カ所程度で踊られている。

(2023年08月17日 21時54分 更新)

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