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社会保障費5200億円増で検討 政府、24年度予算の概算要求

 政府が今月下旬にも決める2024年度予算の概算要求基準で、高齢化などによる社会保障費の伸び(自然増)を5200億円とする方向で検討していることが分かった。関係者が19日、明らかにした。政府は「次元の異なる少子化対策」の財源捻出に向け、社会保障費の抑制を目指す。年末の予算編成で圧縮幅が焦点となる。

 年金や医療、介護といった社会保障費は、高齢化が進むにつれ増えていく。23年度予算の概算要求基準の自然増は5600億円。24年度は、高齢者の人口増加のペースが鈍化したことが影響し、自然増が減ると見込む。概算要求基準は閣議了解とする。

 24年度は医療機関が受け取る診療報酬や、介護サービスの対価に当たる介護報酬を増減する改定が行われる。与党の関係議員からは、昨今の物価高騰に応じて医療や介護の現場で働く人の賃上げを求める意見もあり、増額圧力が強い。圧縮を巡る年末の調整は難航が予想される。

 24年度概算要求基準は、少子化と物価高の対策で金額を示さない「事項要求」を認めるため、歳出拡大が進む可能性がある。

(2023年07月19日 19時54分 更新)

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