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中国、日本の海産物を全面検査 処理水放出巡り圧力

 中国上海市でのイベントで披露された長崎県産マグロの解体ショー=2月(共同)
 中国上海市でのイベントで披露された長崎県産マグロの解体ショー=2月(共同)
 【上海共同】中国税関当局が日本からの輸入海産物に対する全面的な放射線検査を今月から始めたことが18日分かった。複数の日中関係筋が明らかにした。東電福島原発処理水の海洋放出を計画する日本に圧力を加える狙いとみられる。海産物を輸出する日本側の業者に痛手となる。日本の外務省と農林水産省は対応の協議を始めた。

 検査に数週間を要するため海産物の鮮度保持が難しくなり、中国では日本からの輸入を断念する業者も出ている。

 中国税関総署は今月7日、処理水の海洋放出が食品に与える影響を注視しているとし「事態の推移を見ながらあらゆる必要な措置を取る」との談話を発表。政府が「夏ごろ」とする放出を実行すれば、日本からの食品輸入を巡り規制を一段と強化するとみられる。

 関係筋によると検査は税関総署による談話発表直後に始まり、商品を一つ一つ検査している。冷蔵品は通関に約2週間、冷凍品は約1カ月がそれぞれかかる見通しで、税関に留め置かれる。これまで日本側では全ての中国向け海産物の放射性物質検査を行っていたが、中国側は抜き取り検査だった。

(2023年07月19日 06時05分 更新)

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