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新興企業の拠点に共有オフィス システムズナカシマ 住民と交流も

システムズナカシマが吉備高原都市に整備しているコワーキングスペース施設のイメージ図
システムズナカシマが吉備高原都市に整備しているコワーキングスペース施設のイメージ図
 ソフト開発のシステムズナカシマ(岡山市東区上道北方)は、スタートアップ(新興企業)などの活動拠点となるコワーキングスペース(共有オフィス)施設を、岡山県吉備中央町・吉備高原都市内に整備している。同町は先端技術を活用して医療・健康分野の課題解決を図る政府の「デジタル田園健康特区」に指定されており、新たな産業創出の機運が高まっていることに対応。地域住民らと交流できるカフェも設ける。4月に着工しており、2024年2月の完成を目指す。

 同社は、船舶用大型プロペラ国内最大手のナカシマプロペラ(同市)を中核とするナカシマグループのシステム部門を担っている。持ち株会社・ナカシマホールディングス(HD、同市)の中島基善社長が、起業家支援に取り組む一般社団法人・吉備高原オープンイノベーション協会(同町)の会長を務めていることもあり、同都市での施設整備を決めた。

 同都市の中心施設・きびプラザから南約600メートルに位置する民有地(同町吉川、約1600平方メートル)を取得し、木造2階延べ583平方メートルを建設する。設計は世界的建築家・隈研吾氏。地元の集成材メーカーの銘建工業(真庭市)が製造する強度に優れた建材CLT(直交集成板)を活用した建物となる。投資額は非公表。

 コワーキングスペースは2階に設け、20人分以上の机や椅子のほか、無料Wi―Fiを備える。会員制とし、30社程度の登録を目指す。カフェは1階に20~30席を用意。懇親会やパーティー、セミナーなどの利用を想定しているという。

 デジタル田園健康特区では、救急救命士が病院の指示の下、救急車内で超音波(エコー)検査を行えるようにする実証実験を岡山大(岡山市)が推進している。施設を活用した同大などとの連携も今後検討していくという。

 システムズナカシマの橋本幸夫特別顧問は「吉備高原都市は地盤が頑丈で自然災害のリスクが少ないなど、そのポテンシャルは高い。人が集い、新たな産業が生み出される地となるようスムーズな施設運営に努めていく」と話している。

 同社は1985年設立。資本金1億円。売上高31億4千万円(22年11月期)。従業員145人。

(2023年07月13日 16時02分 更新)

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