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殿様と家来のかけ合い 観衆笑顔に 鏡野で4年ぶり「お田植祭」

会場を沸かせた殿様(手前右)と福太郎のかけ合い
会場を沸かせた殿様(手前右)と福太郎のかけ合い
 300年以上の歴史があるとされ、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「お田植(たうえ)祭」(岡山県重要無形民俗文化財)が5日、同県鏡野町富西谷の布施神社で4年ぶりに開かれ、昔の農村の姿をユーモラスに表現した神事が約100人の観衆を沸かせた。

 水田に見立てた境内を清める「獅子練り」で幕開け。牛に扮(ふん)した子ども2人が駆け回る「荒起こし」、男性がきせるで一服しながらあぜを築く「鍬代(くわしろ)」の順で、田植え前の様子を表現。サカキの葉をちぎってまくことで苗を植える姿を表す「田植」と続いた。

 最大の見せ場は殿様と家来福太郎のかけ合いで「笑えば不作になる」と信じる殿様に、滑稽な所作でご飯を食べさせようと試みる福太郎。殿様がようやく口を開けたところで福太郎自身がご飯を食べると、観衆から笑いと拍手が起こった。

 お田植祭は新型コロナウイルス禍で、2020~22年は中止となった。同町出身の公務員男性(34)=尾道市=は「古里の伝統行事を久々に見られて懐かしく、盛り上がる様子もうれしく思った。末永く続いてほしい」と話した。

(2023年05月05日 20時48分 更新)

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