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安心してミュージアム楽しんで 岡山の5館、電子ガイド冊子作成

岡山市中心部の5美術館・博物館が作成したデジタルガイド冊子のダイジェスト版
岡山市中心部の5美術館・博物館が作成したデジタルガイド冊子のダイジェスト版
 初めての場所が苦手な発達障害の子どもらに安心して美術館や博物館を楽しんでもらおうと、岡山市内の5館がデジタルガイド冊子「岡山カルチャーゾーンミュージアムの使い方『あいうえお』」を作成した。事前に利用の様子をイメージできるよう、やさしい文章と写真で館内での過ごし方やルールを紹介。各館のホームページで公開し、活用を呼びかけている。

 誰でも利用しやすい開かれた美術館・博物館づくりに向け、岡山県立美術館(岡山市北区天神町)の岡本裕子主任学芸員が発案。県立博物館(同後楽園)、同市立オリエント美術館(同天神町)、林原美術館(同丸の内)、夢二郷土美術館(同市中区浜)に呼びかけて作った。

 ガイドは、入館から退館までを写真入りで紹介しているのが特徴。バス停からの道順や入り口の位置、館内で休憩できる場所などが見て分かるようになっている。説明文は漢字に全て振り仮名を付け「展示室に行く前に、観覧券を買います」「目印よりうしろに下がって作品をみます」と注意点を短い文章で伝えた。常設の彫刻や噴水などいつでも見られるスポットも盛り込んでいる。

 文化庁の補助事業で、当事者や専門家の意見を聞きながら試作を重ね、2月に完成。ダイジェスト版を県内の小中高校や特別支援学校に配布した。冊子は各館のホームページから自由にダウンロードできる。岡本主任学芸員は「初めて館を訪れる小さな子ども連れにも便利なツール。見通しを立て、安心してミュージアムを楽しんでもらいたい」と期待する。

(2024年04月29日 17時12分 更新)

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