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国重文「井上家住宅」で落語を 6日、公開1周年で初企画

落語会で高座を設ける母屋の座敷と井上さん
落語会で高座を設ける母屋の座敷と井上さん
 約10年にわたる保存修理を終えて昨年3月に一般公開が始まった国重要文化財「井上家住宅」(倉敷市本町)で6日、公開1周年を記念した落語会が開かれる。市職員の傍らアマチュア落語家として活動する牧野浩樹さん(39)と連携した初の企画。美観地区で最古の町家を活用し、一帯のにぎわいを生み出す狙いだ。

 築300年を超える母屋の座敷に高座を設置。「ジャンボ亭小なん」として活動する牧野さんが、江戸時代の暮らしぶりを伝える古典落語の「時そば」や、知ったかぶりの和尚と小僧らのやりとりを扱った「転失気(てんしき)」を岡山弁で披露する。

 同住宅は2012年末から、母屋と井戸蔵を全て解体して再建する保存修理を実施。国、岡山県、市の補助金なども受けながら江戸時代の姿に復元し、有料で母屋を公開している。

 落語会は、市観光課職員として美観地区の活性化に携わる牧野さんが発案。「倉敷の歴史遺産をより多くの人に見てもらう機会になる」と第16代当主井上典彦さん(59)に提案し、賛同を得た。

 井上家住宅での集客イベント開催は初めてといい「地域の協力で維持保存されている。にぎわい創出に貢献できるよう落語会の継続を目指したい」と井上さん。牧野さんは「伝統的な町家で古い落語を聞くと臨場感が増す。タイムスリップしたような感覚を楽しんでもらいたい」としている。

 午後6時~7時半。定員30人。大人1500円、中学生以下千円。申し込み、問い合わせは同住宅(086―422―0714)。

(2024年04月03日 21時09分 更新)

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