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貯水施設「瀬戸調整池」が完成 岡山市整備 大地震備え耐震性向上

貯水施設「瀬戸調整池」が完成 岡山市整備 大地震備え耐震性向上
耐震性を高めた貯水施設「瀬戸調整池」
耐震性を高めた貯水施設「瀬戸調整池」
貯水施設「瀬戸調整池」が完成 岡山市整備 大地震備え耐震性向上
 岡山市水道局が同市東区瀬戸町宗堂で整備を進めていた貯水施設「瀬戸調整池」が完成した。従来施設の老朽化に伴う対応で、今後発生が懸念される南海トラフ巨大地震などに備えて耐震性を高めた。併せて水道水の供給では自前の施設を休止して岡山県広域水道企業団(同寺山)から受ける方式とし、コスト削減につなげる。16日に現地で完成を祝う式典があった。

 調整池は吉井川流域の浄水場から供給される水をためておき、供給量を調整しながら各家庭に送水する。瀬戸調整池のエリアは旧瀬戸町地区の約6千世帯で、コンクリート製の円筒形タンク2基を設置。いずれも直径約19メートル、高さ約8メートルで、容量は1625立方メートル。

 同じ敷地にあった従来施設「坂根配水池」のタンク2基はそれぞれ1977、80年築で老朽化し、現行の耐震基準を満たしていなかった。瀬戸調整池は震度5弱程度の揺れを感知すると、漏水を防ぐために水を止める機能も備える。給水がストップしても、地区の住民が1週間暮らせる水量を確保した貯水タンクとして活用できる。

 瀬戸調整池の完成と同時に、市水道局の大内浄水場(同瀬戸町大内)は休止し、企業団管理の岡山浄水場(同寺山)から供給を受けている。老朽化した大内浄水場を建て替えた場合に比べ、50年間で24億8千万円の削減効果が見込めるという。

 2020年4月に着工。総事業費は企業団の負担分14億円を含め21億5千万円。

 記念式典は住民代表者ら約20人が出席。調整池につながるバルブを開き、通水させた大森雅夫市長は「安心安全な水を供給できる設備が整った。各地で断水が続いた能登半島地震を教訓に、いざという時の備えも万全にしたい」と話した。

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