姫新線美作追分駅から美作落合駅までに大きな曲線や勾配はなく、列車は四季の移ろいを車窓に快走する。だが美作落合駅を発車すると、線路は右にカーブし始める。曲線半径は小さい。約1キロかけて曲がり切ると、列車は北の古見駅を目指す。そのカーブは『落合町史』通史編(落合町、2004年)が伝える地元の議員らが勝ち取った政争の証しなのだろうか。それとも『作備線建設概要』(鉄道省岡山建設事務所、1930年)が書き残す、難工事を避け、開業後の営業成績を見越した結果なのだろうか。...
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