日本酒の楽しみの一つにさまざまな銘柄との出合いがある。酒器もそうだ。旅先で、店頭で、あるいは思いがけないタイミングでビビっとくる一品にめぐり合うと、連れて帰らずにはいられない。こうして陶磁器のぐい吞(の)みやガラス製の器などが一つ、また一つと増えていく。その中から日々の気分やお酒に合わせて酒器を選ぶ。そのひと時がたまらない。
ただ、錫(すず)の酒器に限ってはなかなかいい縁に恵まれなかった。一番の理由は値段。資源としての希少性が高い錫は金、銀に次いで高価で、なかなか手が出せなかったのだ。...
ただ、錫(すず)の酒器に限ってはなかなかいい縁に恵まれなかった。一番の理由は値段。資源としての希少性が高い錫は金、銀に次いで高価で、なかなか手が出せなかったのだ。...
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