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シーガルズ優勝

 見事に有終の美を飾った。女子バレーボールの岡山シーガルズである。シーズンを締めくくる黒鷲旗全日本選抜大会で優勝を果たした。今季はVリーグ9位と苦戦が目立っていただけに、快挙に胸がすく思いだ▼黒鷲旗はVリーグ、全日本選手権と合わせ国内三大大会に位置付けられる。勇猛果敢な覇者の象徴として、翼を広げたオオワシをあしらった優勝旗が大会名の由来だが、コートではカモメ(シーガル)が躍動した▼原動力となったのはこの2人に違いない。主将の川島亜依美選手(34)と副主将の宮下遥選手(29)。ともに元日本代表で、長年チームを引っ張ってきた▼川島選手は182センチの上背から繰り出す速攻やブロックで2度のVリーグ準優勝に貢献した。宮下選手は史上最年少の15歳2カ月でリーグデビューを果たし、巧みなトスワークで日本代表の司令塔も務めた▼そんな2人にとって今大会は現役最後の舞台だった。負ければそこで終わる決勝トーナメント。「先輩との最後のゲーム。一本一本かみ締めながら、シーガルズのバレーをやり抜く」。大会の期間中、本紙に載った後輩選手の談話がチームの雰囲気を伝えていた▼シーガルズ一筋で過ごし、現役生活の有終の美を飾った両選手。全員の力を合わせて立ち向かうチームのスタイルは、後輩たちにしっかりと刻み込まれた。

(2024年05月08日 08時00分 更新)

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