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四宮義俊、初の長編アニメーション監督作『A NEW DAWN』カンヌ映画祭ショーケース選出

四宮義俊監督の長編アニメーション1作目『A NEW DAWN(邦題未定)』 (C)A NEW DAWN Film Partners
四宮義俊監督の長編アニメーション1作目『A NEW DAWN(邦題未定)』 (C)A NEW DAWN Film Partners
 日本画家・アニメーション作家としてボーダレスに活躍する四宮義俊が監督する劇場長編アニメーション『A NEW DAWN(邦題未定)』が2025年に劇場公開される。四宮監督が自身のオリジナル脚本で描く、初の長編アニメーション作品となる。

【画像】『A NEW DAWN』そのほかの場面カット

 本作は、今年の「第77回カンヌ国際映画祭」マルシェ・ドゥ・フィルムにて開催される「Animation Day」アヌシー・アニメーションショーケースへも選出。現在制作中の注目の作品を取り上げるプログラムで、5月19日(現地時間)に四宮監督が登壇し、本作のメイキング映像の上映とプレゼンテーションを行う。

 作品の舞台は、土地立ち退きの強制執行が迫る創業330年の花火工場・帯刀煙火店。そこで育った3人の若者たちと、幻の花火シュハリをめぐる2日間の物語を描き出す。

 四宮監督は、日本画家として絵画を軸に、立体、映像など多彩な創作活動を行ってきた。実写映画やアニメーション映画の美術や特殊シーン演出を担当、『君の名は。』(新海誠監督)の回想シーン、『この世界の片隅に』(片渕須直監督)の水彩画)等に参加。2018年には渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンを使ったアニメ『トキノ交差 shibuya vernacular』の監督もしたが、長編映画の監督は初挑戦になる。

 本作は、シンエイ動画との共同製作でカンヌ国際映画祭「監督週間」に選出された『化け猫あんずちゃん』(7月19日公開)や、2023年アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞受賞作『リンダはチキンがたべたい!』(公開中)など、世界の映画祭で脚光を浴びるフランスのアニメスタジオ・Miyu Productionsと、アスミック・エースとの日仏共同製作となる。

 アニメーション制作を担うのは、高坂希太郎監督やモリ・マサ監督らを擁するスタジオアウトリガー。さらに、米津玄師が「ハチ」名義で発表した「砂の惑星 / 初音ミク」や、ヨルシカ「準透明少年」など多数の人気アーティストのミュージックビデオを制作し、アニメ『天国大魔境』でキャラクターデザインを手がけたうつした(南方研究所)がキャラクターデザインを担当。美術に『君の名は。』『詩季織々』などを手がけた馬島亮子、音楽に瀬田なつき監督『5 windows』、冨永昌敬監督『マンガをはみだした男~赤塚不二夫』ほか国内外でのパフォーマンス、展覧会など多様なプロジェクトで注目される蓮沼執太ら、メインスタッフが集結している。

■四宮義俊監督のコメント

この映画は僕の一本目の長編映画です。
企画を作り始めたのは2016年でした。月日が経つうちに、自分を取り巻く環境や景色も変わり、家族もできました。
ある日、雑木林の隙間からあるはずのない『海』を子どもが見つけ僕に問いかけました。凝視すれば何のことはないソーラーパネルの羅列でした。ネガティブに感じられ変わっていく日本の風景にいっとき新しい解釈を与えた次の世代の感性は僕にとってとても意味のあるものに感じられました。
そしてその瞬間、この物語は駆動し始めました。当時はごく一部の事象を描いたものでしたが、時を経るごとに物語がリアリティを帯びていった様に思います。
企画が始まってから8年目の今日みなさんに情報をお届けできることにちょっとした奇跡も感じています。
完成まではまだまだ長い道のりですが、作りながら、また少しずつ皆さんに知っていってもらえるとうれしいです。

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(2024年04月28日 06時00分 更新)

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