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伝統漁法再現「観光鯛網」始まる 福山・鞆の浦、初夏の風物詩

観光客の前でタイをすくい上げる漁師
観光客の前でタイをすくい上げる漁師
 福山市の景勝地・鞆の浦で27日、江戸期から伝わる同市無形民俗文化財「鯛(たい)しばり網漁法」を再現した「観光鯛網」が始まった。港町の初夏を彩る勇壮な伝統漁法を、観覧船に乗った約70人が満喫した。

 鞆の浦漁協の組合員とボランティアら計約30人が大漁のぼりを掲げ、6隻で出漁した。仙酔島から約500メートル離れた辺りを漁場に定め、親船2隻が左右に大きく分かれて網(長さ約千メートル、幅100メートル)を投入。円を描くように交差しながら豪快なかけ声とともに網を引き寄せ、群れを囲い込んだ。

 親船2隻が並んで網をいけす状にすると、鮮やかな桜色のマダイ(体長約30~40センチ)が水面で跳ね、観光客は親船に乗り移って次々と買い求めた。2匹を購入した会社員(39)=同市=は「漁師の勇ましさ、跳ねたタイの水しぶきを間近に感じ迫力があった。来年も見に来たい」と話していた。

 鯛網は29日までと5月3~6日の午前11時から開始。定員は150人程度。当日券は高校生以上3千円、小中学生1500円。問い合わせは主催の福山観光コンベンション協会(084―926―2649)。

(2024年04月27日 20時39分 更新)

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