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新生児3疾患 県内の検査体制整う 6月から自費で 推進協が発表

スクリーニング検査の対象になる3疾患について説明したパンフレット
スクリーニング検査の対象になる3疾患について説明したパンフレット
 新生児に先天性の疾患がないか調べるスクリーニング検査の拡充を目指す「岡山拡大新生児スクリーニング推進協会」(会長・塚原宏一岡山大病院小児科長)は24日、免疫や神経細胞に異常がある3疾患を検査対象に加える体制が岡山県内で整ったと発表した。6月から自費で受けられる。各産科医療機関で採血し、陽性の場合は岡山大病院(岡山市)で精密検査を行う。

 県内でのスクリーニング検査は現在、生後5日ごろの新生児から血液を採取し、先天性の25疾患を対象に公費で調べている。対象疾患を拡充しても、同じ血液を利用するため新生児の負担は変わらない。希望者を対象に自費で実施し、自己負担額は医療機関によって異なるが1万円前後になる見込みという。

 3疾患は、生まれつき免疫がなく感染症にかかりやすい「重症複合免疫不全症」と「B細胞欠損症」、脊髄の神経細胞に異常があり全身の筋力が低下する進行性の「脊髄性筋萎縮症」。いずれも発見が遅いと死に至る可能性があり、早期治療が重要とされる。検査や治療の技術向上に伴って全国的に自費検査の導入が進んでいる。

 同協会は検査を紹介するパンフレットや動画を作成。塚原会長は「任意の検査だが、早期発見、治療につなげるために多くの赤ちゃんに受けてもらいたい」としている。

 検査の流れに問題がないかを確認するため、岡山大病院などでは5月から試行する。

(2024年04月24日 20時30分 更新)

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