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知床犠牲者の名前冠した基金運営 未来ある若者に情熱つなげたい

 北海道・知床沖で2022年、観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した事故で、亡くなった福島県会津若松市の小池駿介さん=当時(28)=の名を冠した奨学基金が昨年6月に設立された。運営財団は「遺志や情熱を未来ある若者たちにつなげたい」としている。事故は23日で発生2年となる。

 小池さんは福島県や新潟県などでスーパーを展開する「リオン・ドールコーポレーション」の創業一家に生まれた。2019年に取締役となり、事業をけん引。また磐梯町に立ち上げた蒸留所で世界を視野に入れたウイスキーの醸造事業に取り組んでいたさなか、事故で帰らぬ人となった。

 「小池駿介奨学基金」は返済不要で、一時金100万円と年24万円を給付する。応募できるのは四年制大学や専門学校に入学する、財団が指定した会津地方の高校生。今年3月、初の奨学生となる12人が選ばれた。今後対象者を広げることも予定している。

 元になったのは小池さんの遺産や同社グループで働く人からの寄付など。同社と関係のある複数の企業が設立の発起人となった。

(2024年04月19日 17時06分 更新)

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