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山中瑶子監督×河合優実、映画『ナミビアの砂漠』カンヌ国際映画祭「監督週間」選出

映画『ナミビアの砂漠』(2024年公開)カンヌ国際映画祭「監督週間」選出 (C)2024『ナミビアの砂漠』製作委員会
映画『ナミビアの砂漠』(2024年公開)カンヌ国際映画祭「監督週間」選出 (C)2024『ナミビアの砂漠』製作委員会
 映画『あみこ』(2017年)で史上最年少で「ベルリン国際映画祭」出品を果たした山中瑶子監督・脚本、ドラマ『不適切にもほどがある!』で注目を浴びた河合優実が主演を務めた映画『ナミビアの砂漠』(2024年公開)が、フランスで開催される「第77回カンヌ国際映画祭」(現地時間:5月14〜25日)の「監督週間」に選出され、公式上映されることが決定した。

【画像】新時代の若き才能あふれる山中瑶子監督

 山中監督は、撮影当時19歳で初監督した作品『あみこ』が、「第39回ぴあフィルムフェスティバル」で取り上げられ、PFFアワードで観客賞を受賞。その後、「第68回ベルリン国際映画祭」のフォーラム部門に史上最年少で招待され、香港国際映画祭やカナダのファンタジア映画祭など、各国の映画祭で評判となり話題をさらった。偶然『あみこ』をニューヨークの映画祭で観た故・坂本龍一さんが「60年代初頭に登場したヌーヴェル・ヴァーグの映画のような軽さと滑稽さ、痛さとテンポが感じられる。今後の作品が楽しみだなあ」とコメントを寄せた新鋭だ。

 そんな『あみ子』から7年、『ナミビアの砂漠』は山中監督の本格的な長編第1作となる。主演の河合は、21年に公開された『由宇子の天秤』、『サマーフィルムにのって』の演技で数々の映画賞の新人賞を総なめにし、『不適切にもほどがある!』で話題沸騰。彼女もまた、『あみこ』を観て衝撃を受けた一人。公開当時学生だった彼女は『あみこ』を観て女優になりたいと思い、山中監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行ったという。

 その思いと行動力が『ナミビアの砂漠』に結実。河合は無為に生活を送る、現代に生きる主人公カナが持つ爆発寸前のエネルギーをみずみずしく、そして魅力的に演じている。

 カンヌ映画祭に併設されている部門である「監督週間」は、作家性を重視した作品が選出され、世界で活躍する映画監督の登竜門として知られる注目度の非常に高い部門。今年のポスターは北野武描き下ろしのイラストが使用されることも話題だ。過去にはソフィア・コッポラ、スパイク・リーやアキ・カウリスマキ、日本人では大島渚、北野武、西川美和、高畑勲、細田守らが選出されたことがある。

■山中瑶子監督のコメント

 あのときのわたしたちでしか作れなかった、この苦しくて自由で愛おしい映画の旅が、ラディカルな監督週間からスタートすることをうれしく思います。お目が高い!!スタッフ、キャスト全員が天才的でした!関わり、見守ってくださった皆さまに大きな感謝と敬意でいっぱいです。そして主演、河合優実さんの圧倒的な身体の煌めきよ!毎カットご褒美のように撮っていました。ひと足早く見ていただけるカンヌの観客の皆さんの反応が楽しみです。

■河合優実のコメント

 心の底からうれしいです。映画に実りをもたらし続けてきたカンヌの景色を、この作品と共に見られることに、胸の内がキラキラ燃えています。山中瑶子監督を信じて良かったです。信じて作れば絶対に豊かなものができるし、伝わるはずだ、と思い続けていました。同じように、監督や、映画のことを信じていた人が沢山いました。一緒に映画を作った皆さんの顔が早く見たい思いでいます。この巡り合わせに感謝しています。世界に届くことがとにかく楽しみです。

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(2024年04月16日 23時09分 更新)

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