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『名探偵コナン』事前試写会を行わない異例の対応が奏功 宣伝P怪盗キッドに「盗んでくれてありがとう」

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(公開中)(C)2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(公開中)(C)2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
 青山剛昌氏による漫画原作の劇場版アニメ『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が12日より全国515館で公開され、初日3日間でシリーズ歴代史上No.1の観客動員と興行収入を記録。27作目にして今までの記録更新を狙えるメガヒットスタートをきった。

【画像】『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』場面カット(14点)

 今作においては、メインキャラクターの1人でもある怪盗キッドによって「試写会への招待状とフィルムが盗まれた」という体(てい)で、劇場版『名探偵コナン』史上初めて公開前の事前試写会を行わない異例の対応が取られた。例年どおりであれば、声優キャストが登壇する完成披露試写会や小学館連合試写会が各都市で開催され、毎年楽しみにしていたファンもいたことだろう。

 マンガの連載・アニメの放送終了から26年ぶりの『THE FIRST SLAM DUNK』、宮崎駿監督(※崎=たつさき)の10年ぶりの長編映画『君たちはどう生きるか』が事前に試写会を一切行わず、大ヒットしたことも記憶に新しい。

 劇場版『名探偵コナン』の場合は、毎年公開され(新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年のみ公開なし)、観客動員&興行収入において右肩上がりの成長を続けてきた。近年の伸張ぶりはすさまじく、昨年4月に公開された前作『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』で初めて100億円の大台に乗せたばかりか、興行収入138.8億円にまで伸ばし、シリーズ史上最高記録を更新。前作を下回るわけにはいかないはずの新作で、試写会を実施しなかったことは、賭けだったのではないか。

 「試写会をしない」選択をしてことについて、東宝宣伝部『名探偵コナン』宣伝プロデューサーの三浦広暉氏に取材を申し込んだところ、次のような返信が届いた。

 「今回事前の試写会を実施しないことに関しては、2月に掲載した声明の通りですが、『ネタバレも無く、公開初日から同時に体感していただきたい』という想いから製作委員会の皆様と色々と協議の上、決定させていただきました。

 毎年楽しみにしてくださる方からの色々なご意見も覚悟していましたが、皆様には我々の想いを汲んで一緒に盛り上げていただいたように感じており、皆様とともに宣伝を作って楽しんでいけたのでは?という感覚でおります。

 そして公開初日という1つのゴールテープを切るまでのドキドキやワクワクを、キャスト・スタッフ・ファンの皆様と一緒に感じることが出来た事は、今作にとっては良かったと思っていますし、今回の大ヒットにも少なからず影響はあったのではないでしょうか。

 フィルムが盗まれてしまった時は、責任問題で会社をクビになるのではと肝を冷やしましたが、今となっては一度立ち止まって考えるきっかけをくれた怪盗キッドに感謝しています」(原文ママ)

 試写会が行われず、内容が一切明かされてこなかった反動か、公開日12日に日付が変わった瞬間、午前0時から全国10都道府県23劇場にて実施した最速上映のチケットは即完売。平日にもかかわらず、12日だけで観客動員63万8119人、興収9億6278万5780円を記録した。

 金・土・日の3日間で、動員227万4333人、興収33億5249万4500円を上げ、前作対比106.5%。シリーズ歴代No.1のスタートを切った『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』。ゴールデンウィークに向けて、さらなる大ヒットが予想される。

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(2024年04月16日 20時00分 更新)

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