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真備の被災写真洗浄拠点閉所へ あらいぐま岡山、取り組みは継続

14日に閉所する「あらいぐま岡山」の作業拠点=倉敷市真備町箭田
14日に閉所する「あらいぐま岡山」の作業拠点=倉敷市真備町箭田
 2018年7月の西日本豪雨で水害に見舞われた倉敷市真備町地区で、水没した写真の洗浄を続けるボランティア団体「あらいぐま岡山」が14日、地区内の作業拠点を閉所する。ニーズが一巡し持ち込まれる写真が減少したのを受けた対応。これまでに51万枚の被災写真を引き受け、ボランティアと手を携え48万枚を修復した。今後は随時作業場を借りるなどして取り組みを継続する。

 あらいぐま岡山は被災2カ月後の18年9月、岡山県内外の写真家や会社員らで設立した。現在は市内の7、8人が主に運営に当たり、岡工務店(同市真備町箭田)の倉庫(約160平方メートル)を拠点に作業。泥が付いた写真を水洗いしてアルコール消毒を施し、持ち主に返却している。

 これまでに延べ1万3千人がボランティアとして参加。新型コロナウイルス禍前は、一度に100人以上が集まって作業することも少なくなかったといい「これほどの支援ができたのは、皆さんの協力のおかげ」とメンバーの前田弘さん(70)は感謝する。

 洗浄の依頼は、今年に入ってからは月1件程度にとどまり、週2日の作業日はメンバー数人で対応している。今後は依頼に応じて活動することとした。

 閉所式は14日午前10時から、ボランティアや近隣住民数十人を招いて開催。メンバーらが活動への協力に感謝を述べる。前田さんは「被災した写真が手つかずの人もまだいるはず。数は減っても心を込めて作業し、被災者に寄り添い続けたい」と話している。

(2024年04月11日 20時38分 更新)

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