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島民らの願いのせて進むうつろ舟 笠岡諸島・北木島で「流し雛」

島民らの願いをのせて進む「うつろ舟」
島民らの願いをのせて進む「うつろ舟」
 笠岡諸島の北木島で7日、江戸中期から続くとされ、笠岡市重要無形民俗文化財に指定されている「流し雛(びな)」があった。島の住民らが紙雛をのせた小舟を海に流し、無病息災や家内安全を祈願した。

 流し雛は身に降りかかる災厄を人形に移し、人形供養などで知られる淡島神社(和歌山市加太)に向けて流す伝統行事。北木島では、旧暦の3月3日に合わせ、同神社へ潮が流れるとされる正午前に行っている。

 住民や観光客ら約80人は島東部の大浦海岸に集合。麦わらや紙箱で作った「うつろ舟」に紙雛12体のほか、ひし餅やあさりずしといった供え物をのせ、そっと浮かべた。浜から離れていく舟に手を合わせたり写真を撮ったりしながら見送った。

 北木小6年の男子児童(11)は「去年は途中でひっくり返ってしまったが、今回は無事に流せてうれしい」と話していた。

(2024年04月07日 21時03分 更新)

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