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救急医療維持へ特例で残業延長 岡山県が5病院指定、4月から

 4月から始まる医師の働き方改革を巡り、岡山県は時間外労働(残業)の上限を特例として延長できる「特定労務管理対象機関」に岡山大病院(岡山市北区鹿田町)など5病院を指定した。いずれも救急医療を担う病院で、医療提供体制に支障が出ないようにするのが狙い。期間は4月1日から3年間。

 ほかに指定したのは岡山済生会総合病院(同国体町)岡山赤十字病院(同青江)川崎医科大総合医療センター(同中山下)川崎医科大付属病院(倉敷市松島)。今月中旬に開いた県医療審議会で協議し、申請があった全病院を認めた。

 指定を受けた病院に勤める医師は、原則で年上限960時間の残業時間を1860時間に延長することが可能になる。原則を超える場合は、一定の休息時間を確保する義務が病院に課される。

 指定内容は残業延長の理由別に4種類ある。県内では救急医療の維持のための「B」が5病院、地域への医師派遣に関する「連携B」は岡山大病院など4病院。いずれも段階的に残業を減らし、2035年度末までに960時間以内を目指す。研修が理由の「C―1」「C―2」は岡山済生会病院が指定された。

 県医療推進課は「働き方改革は不可欠だが、地域医療の質維持も重要という判断」とした上で「改革は病院の努力だけでは実現できない。県民にも救急医療の適切な利用を心がけてほしい」としている。

(2024年03月26日 22時06分 更新)

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