山陽新聞デジタル|さんデジ

関係住民への血液検査 公費で実施 吉備中央町が発表 PFAS問題

血液検査の実施など町の健康対策について説明する山本町長
血液検査の実施など町の健康対策について説明する山本町長
 岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)から有害な有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題で、町は22日、基本的な健康対策を発表した。関係住民への血液検査や継続的な健康調査を行うとしている。今月15日の外部委員会の提言を受けてまとめた。

 町賀陽庁舎で記者会見した山本雅則町長によると、PFASの血中濃度を調べる血液検査の対象は、浄水場の水を使用した円城地区約500世帯の希望者。浄水場の水源に近い資材置き場に、発生源の可能性が高いとみられる使用済み活性炭が置かれてから、町が水道水の安全を確保した昨年11月までの約15年間に居住・勤務した人も含む。費用は町が負担する。

 外部委は「血中濃度の医療的な低減策が確立されておらず、かえって不安が増す恐れがある」として血液検査を推奨していないが、山本町長は定期検査により「濃度の低下が確認できれば安心につながる」とし、検査機関の選定や希望者の募集を急ぐ考えを示した。

 他の対策では、特定健診や学校健診のデータを分析して継続的に健康状態を把握。低体重児出産が懸念される妊産婦に科学的助言ができるよう保健師に研修を行い、必要に応じて戸別訪問も行う。

 山本町長は「住民の皆さんには心配をかけている。今回の方針や対策を広く周知し、不安があれば相談してもらい、一緒に解消していきたい」と述べた。

(2024年03月22日 21時16分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ