山陽新聞デジタル|さんデジ

1.4億円を収入として過大計上 岡山県健康づくり財団付属病院

 岡山県健康づくり財団が運営する付属病院(岡山市北区平田)で、計約1億4700万円を収入として過大に計上する不適切な会計処理が確認されたことが19日、財団への取材で分かった。経理担当者が診療報酬を重複して算定したことなどが原因で、財団は「事務的なミスと考えている」と説明。現時点で着服などの事実は確認されていないという。

 財団によると、経理担当者は診療報酬の請求について、審査機関から差し戻された分についても収入として会計帳簿に記載。報酬を再請求した際にさらに上乗せして計上するといった誤った処理を重ねたほか、帳簿への単純な記入ミスなども確認された。こうした不適切な事務作業は書類が残る2016年度以降、続けられていた。

 昨夏、財団の内部調査で発覚した。経理担当者は財団の聞き取りに「なぜ間違ったか分からない」と話したという。

 財団は19日、ホームページで事案を公表。「公益法人としての信頼を損ない、深く反省している。管理体制の強化に努める」とのコメントを出した。今後、詳細な調査を行った上で過大計上分は特別損失などとして処理する方針。

 財団は岡山県が出資する公益財団法人で、法人の認定も県が行っている。県保健医療部は「財団には一刻も早い全容解明に努めてもらい、結果を踏まえて必要な対応を検討したい」としている。

(2024年03月20日 05時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ