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原発利用可能とグロッシ事務局長 福島の高校生との対話で

 福島県富岡町で高校生の質問に答えるIAEAのグロッシ事務局長(中央)=13日午後 
 福島県富岡町で高校生の質問に答えるIAEAのグロッシ事務局長(中央)=13日午後 
 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は13日、福島県を訪れ、地元漁業者らとの会合や高校生との交流の場に臨んだ。会合では東京電力福島第1原発の処理水放出の完了まで監視を続ける姿勢を強調。高校生との対話では脱炭素の観点から「原発は利用可能だ」と訴えた。第1原発を視察し、放出の運用状況に「満足している」と話した。

 グロッシ氏の福島県訪問は昨年7月以来で、同年8月の処理水海洋放出開始後は初めて。いわき市での漁業者との会合では、放出後も海中に含まれる放射性物質トリチウムの濃度は極めて低いと説明。IAEAとして、長期にわたる放出を見守り続けると述べた。

 富岡町では福島県内の高校7校から参加した約120人と交流。第1原発事故時に福島県外に避難した経験がある磐城高校2年の神谷菜月さん(17)は「本当に原発を続ける必要があるのか」と疑問を投げかけた。グロッシ氏は「被害者の数、放射線などの記録を分析すると、原子力は安全という観点から良好で、利用可能なエネルギー源だ」と応じた。

(2024年03月13日 20時32分 更新)

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