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2年間の住民参加型発掘調査報告 真庭・荒木山西塚古墳 現地説明会

保存会員(水色のヘルメット)の解説で、新たな古墳の痕跡を確認する参加者
保存会員(水色のヘルメット)の解説で、新たな古墳の痕跡を確認する参加者
 真庭市と同志社大、地元住民らが発掘調査を進める4世紀の前方後円墳・荒木山西塚古墳(同市上水田)で2日、現地説明会が開かれた。土器片や新たな古墳の痕跡などの成果が報告され、住民参加型として注目された2年間の事業に歴史ファン約130人が引き込まれた。

 調査は2022年度から実施。23年度は前方部を中心に調べ、墳端付近で古墳に使われたとみられる石材や壺(つぼ)型土器の破片を確認した。隣接する前方後方墳・東塚古墳との間の高まりから新たな古墳の痕跡も見つかった。

 参加者は、北房文化遺産保存会員の案内で前方部の試掘溝を熱心に見学。新たな古墳の痕跡は、埋葬部に用いられた赤色顔料の発見などから「小規模ながら存在が分かった」と説明を受けた。

 笠岡市の参加者(87)は「当時の姿を想像することができ、住民の手で発掘する醍醐味(だいごみ)が感じられた」と話した。

 別会場では北房小中や同志社大生、専門家らによるフォーラムも開催。住民参加型の次なる手として“新墳”を造って地域づくりに生かす提案もあった。

 発掘は今月中旬まで続け、24年度で調査内容を整理。25年度に報告書を刊行する。

(2024年03月02日 17時08分 更新)

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