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宝伝、犬島海水浴場を廃止 岡山市発表、来場者減で運営困難

廃止が決まり、24年度から海開きが行われない宝伝海水浴場
廃止が決まり、24年度から海開きが行われない宝伝海水浴場
宝伝、犬島海水浴場を廃止 岡山市発表、来場者減で運営困難
 岡山市は1日、宝伝海水浴場(同市東区宝伝)と犬島海水浴場(同犬島)を廃止し、2024年度から海開きを行わないと発表した。レジャーの多様化を背景に来場者が減少し、採算面から運営団体の確保が難しいためという。市内に2カ所しかなかった海水浴場が姿を消すことになる。

 市によると宝伝は1978年ごろ、犬島は95年にオープン。瀬戸内海の多島美を楽しめる海水浴場として人気を集め、記録の残る98年以降、ピーク時は宝伝に2万3292人(2000年)、犬島に4789人(02年)が訪れた。

 近年は減少傾向が続き、19年の来場者は宝伝7203人、犬島1701人まで落ち込んだ。20~22年は新型コロナウイルス禍、23年は実務を担う地元住民の高齢化で開設できず、両施設の運営を長年請け負ってきた市西大寺観光協会も同年で撤退した。

 こうした状況を踏まえ、市は24年度以降の開設の可否を判断するため、レジャー施設運営業者にヒアリング。新たな運営団体が見つかって海開きをしても、従来の予算では収支が合わないことが判明したといい「総合的な判断で廃止を決めた」(観光振興課)。

 廃止を受け、市西大寺観光協会の大森後藤治会長は「最盛期は家族連れらがバーベキューや海水浴を楽しみ、笑顔であふれていた。今回の決定は残念の一言だ」と話した。

(2024年03月01日 22時27分 更新)

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